織田信長の偉大さ
日本史で、応仁の乱から永禄の変までの流れを見ていくと、当時は権力争いによって人が死ぬことが当たり前の世の中だったことが分かります。
考えてみれば、こうした傾向は戦前まで続いていました。昭和初期までの日本の政治と権力抗争の歴史は暗殺の歴史でもあると言えます。
政治家による権力争いはもちろん今もありますが、少なくともそれによって簡単に命を奪われることがない時代というのは、もしかすると日本史上驚くべきものなのかも知れません。
16世紀の日本の歴史における織田信長のすごさというのは、こういう観点から見ていくことでさらに深く理解できそうに思われます。
彼が果たした畿内支配が最初にあり、その地盤が豊臣政権に引き継がれて、最終的に徳川家康による幕藩体制が確立されたわけです。
これは戦国大名が天下人として権力維持を目指した流れであると同時に、権力争いが起きないようにすることで人がむやみに死なない時代を作る流れでもあったと言えるでしょう。
となると、権力争いに明け暮れていた畿内の大名たちをねじ伏せて、織田信長が力をつけていった経緯が気になるところです。決定的だったのは、永禄の変によって時の将軍・足利義輝が暗殺されたことでした。