桶狭間の戦いの敗戦後も今川家に仕えた鵜殿長照(うどの-ながてる)。
「どうする家康」では野間口徹さんが演じ、5話「瀬名奪還作戦」では、服部半蔵(演:山田孝之さん)率いる28人の服部党を壊滅にまで追い込みました。
また、半蔵の目の前で、手練れの忍びである穴熊を討ち取る活躍を見せました。
劇中では今川家の忠臣として君臨する長照ですが、マイナーな武将のため、史実ではどのような生き方をしたのかと気になる方もいるかもしれません。
そこで今回は、今川家を支えた長照の生涯をご紹介します。子どもたちのことも紹介しますので、「どうする家康」の予習にも最適な内容となっています。
今川義元の甥でもあった長照
鵜殿長照は、鵜殿長持と今川義元の妹の間に生まれます。このことからわかる通り、長照は義元の甥で今川氏真(演:溝端淳平さん)の従兄弟にあたります。
また、父の長持は義元の義兄弟。鵜殿家は今川家に重宝されていたことがわかりますね。
それもそのはず。長持は「三州西郡一万石」を有した身分の武将。その功績を今川家に見込まれ、重宝されたと考えられます。さらに、長持は連歌師の宗長や宗牧と親交のあった教養人でもありました。
偉大な父の子である長照は、義元から期待を寄せられていたのは言うまでもありません。
桶狭間の戦いの前は大高城の守備をしていた
永禄3年(1560)の桶狭間の戦いの前哨戦「大高城の兵糧入れ」の際、長照は大高城の守備に当たっていました。大高城は今川軍の最前線に位置しており、織田軍の包囲によって身動きの取れない状態でした。
そのため、長照は城兵たちと草木の実を食べて兵糧不足を凌いだと言われています。
そして、徳川家康が大高城に兵糧を運んだことで、窮地を脱します。その後は、家康と大高城の守備を交代。義元が討ち死にすると、自領に帰りました。