戦国時代「三大奇襲作戦」のひとつ河越夜戦!北条氏康の逆転劇とその後の伝説【後編】:2ページ目
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伝説の信憑性は?
と、ここまでが戦国時代の「三大奇襲作戦」と呼ばれる伝説の作戦です。ストーリー的には、北条氏が四面楚歌の状態から一発逆転したという実に鮮やかで見事な流れなのですが、しかし知名度はいまいち高くありません。
その理由は、この河越夜戦はあまりにも「できすぎ」な上に、不明あるいは不自然な点が多く、何から何まで実話として考えるのはやや無理があると思われるからです。主な疑問点は次の通りです。
①この合戦が行われたことに関する文書が残っていない。
②大規模な合戦だったにも関わらず、記録によって場所や年月日、登場人物が異なっている。
③当時、上杉方が8万以上の兵を動員できたか疑わしい。
④いくら奇襲とはいえ、8千の兵で8万の兵を破るのは不自然。
⑤戦略的に、北条氏康がこのような半ば無謀とも言える作戦を採用するのはおかしい。
とはいえ、合戦そのものが全くなかったと考えるとますますおかしくなります。
もう少し小規模な形で合戦が行われたのではないか、もしかするともっと長期間にわたり複数の合戦が行われ、それをひっくるめた形で記録に書き残されたのではないか……と考える人もいるようです。
参考資料
『オールカラー図解 流れがわかる戦国史』かみゆ歴史編集部・2022年
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