戦国時代は室町政権の崩壊過程。乱世はどう始まりどう収束したか…:2ページ目
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織田信長の果たした役割
こうして、室町幕府の支配力はごく一部の地域にしか及ばなくなりました。
さらに政治の実権も細川氏、三好氏、そしてかの松永久秀に移行していきます。加えて、全国各地で守護代が守護大名を追放するなど、いわゆる下剋上の動きが活発になりました。
将軍家も家臣も無秩序な状態になれば、今度は国人衆や農民のレベルでも騒乱が頻発します。代表的なのは山城国一揆、本願寺の門徒による加賀一向一揆です。後者は守護大名を倒して、その後百年も大名がいないという状態を作り出すほどの勢いでした。
この中からまず伊勢宗瑞(北條早雲)が登場し、日本史上初の「戦国大名」として伊豆一国を奪い、小田原城を乗っ取りました。
その後、戦国の世を勝ち上がっていった織田信長によって、1570年代から室町幕府は解体されていきます。このあたりから、ようやく戦国時代は収束の兆しが見え始めます。
つまり織田信長というのは、歴史的には室町時代にとどめを刺した存在だったと言えるでしょう。
こうして見ていくと、戦国時代というのは室町時代末期の状況のことを指し、権威を失った幕府の、その権威と統治システムが解体されていく過程だったことが分かります。
参考資料
『オールカラー図解 流れがわかる戦国史』かみゆ歴史編集部・2022年
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