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「鎌倉殿の13人」畠山重忠・重保父子に迫る最期の刻。第35回放送「苦い盃」予習【前編】

「鎌倉殿の13人」畠山重忠・重保父子に迫る最期の刻。第35回放送「苦い盃」予習【前編】

義時と時房、必死の反対も虚しく……

晴。牧御方請朝雅〔去年爲畠山六郎被惡口〕之讒訴。被欝陶之間。可誅重忠父子之由。内々有計議。先遠州被仰此事於相州并式部丞時房主等。兩客被申云。重忠治承四年以來。專忠直間。右大將軍依鑒其志給。可奉護後胤之旨。被遣慇懃御詞者也。就中雖候于金吾將軍御方。能員合戰之時。參御方抽其忠。是併重御父子礼之故也。〔重忠者遠州聟也〕而今以何憤可企叛逆哉。若被弃度々勳功。被加楚忽誅戮者。定可及後悔。糺犯否之眞僞之後。有其沙汰。不可停滯歟云々。遠州重不出詞兮。被起座。相州又退出給。備前守時親爲牧御方之使。追參相州御亭。申云。重忠謀叛事已發覺。仍爲君爲世。漏申事由於遠州之處。今貴殿被申之趣。偏相代重忠。欲被宥彼奸曲。是存繼母阿黨。爲被處吾於讒者歟云々。相州。此上者可在賢慮之由。被申之云々。

※『吾妻鏡』元久2年(1205年)6月21日条

……が。父の暴挙に対して義時と北条時房(演:瀬戸康史)は猛反対します。

「父上は何を仰せか。次郎(重忠)は治承4年(1180年)の挙兵以来、ひたすら忠義を尽くして参りました。亡き源頼朝(演:大泉洋)公も『必ずや子孫を守ってくれるだろう』と厚く信頼を寄せておいでだったではありませんか。先に比企能員(演:佐藤二朗)を討った時だって、源頼家(演:金子大地)様に遠慮して討伐にためらったのに『すべては鎌倉のため』と我らに味方してくれたのは、舅である父上との絆を重んじてのこと。あれほどの忠義者を謀叛人に仕立て上げるには、どれだけ言いがかりをつけなければならないのでしょうか。そんなことをすれば必ずや後悔することになりましょう」

「左様。悪いことは申しませぬゆえ、畠山殿の謀叛については、確たる証拠が見つかってから対処しても遅うはございませぬ」

「ぐぬぬ……」

ひとまず軍勢の動員を拒否した義時たちでしたが、やがて牧備前守時親(まき びぜんのかみときちか。牧の方の兄弟)から書状が届けられました。

書状に曰く「畠山殿の謀叛は既に明らか。此度の討伐は鎌倉殿のため、世のためゆえに『しい様』へお伝えしたと言うのに……あなたたちは畠山殿の偽りを見抜けず、この継母を悪者に仕立て上げようと言うのですね」と。

いや、そうは申しませんが……タジタジの義時は「ちょっと考えておきます(この上は賢慮あるべくの由)」などとお茶を濁して(結局、重忠討伐に加勢)しまうのでした。

【後編へ続く】

※参考文献:

トップ画像: 「鎌倉殿の13人」公式ページより

 

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