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世知辛い世の中に上質な笑いを。江戸時代の狂歌に見るウィットと社会

世知辛い世の中に上質な笑いを。江戸時代の狂歌に見るウィットと社会:2ページ目

時代や社会が見えてくる面白い狂歌

ここからは、実際の狂歌をいくつかご紹介します。

・白河の 清きに魚(うお)の すみかねて もとの濁りの 田沼こひしき

→歴史の教科書にも載っている上記の狂歌は、松平定信が行った寛政の改革の厳しさよりも、わいろ疑惑などで失脚した田沼意次の政治のほうが良かったと風刺する内容です。

・泰平の 眠りを覚ます 上喜撰 たった四杯(しはい)で 夜も眠れず

→こちらも有名ですが、ペリーが黒船でやってきたときの社会の騒乱ぶりを詠んでいます。上喜撰と蒸気船をかけているところがポイント。喜撰は緑茶の銘柄で、その上等なものが上喜撰です。

・上からは 明治だなどと いふけれど 治明(おさまるめい)と 下からは読む

→こちらは明治維新に対する狂歌です。高圧的な変革をする政府に対して不満が大きくなった庶民の気持ちが表れています。特に江戸っ子は徳川びいきのところもありましたので、薩長の人々が好き勝手に振舞っているようにしか見えなかったのかもしれません。「おさまるめい」は江戸弁で、「あいつらに治められるもんか」となります。

いかがでしたか?この記事が、みなさんが少しでも歴史の面白さに興味を持つきっかけになれば嬉しいです。

 

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