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日本の政治家もテロ・暗殺の危険と隣り合わせ!?いま紐解く暗黒の近代史【戦前編】

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五・一五事件と二・二六事件

そして1932(昭和7)年の2~3月にかけて発生したいわゆる「血盟団事件」では、前の大蔵大臣だった井上準之助と、三井財閥の総帥である団琢磨が相次いで殺害されました。

先にもご紹介しました「五・一五事件」は、この血盟団事件の第二陣として計画されたものです。

また、永田鉄山軍務局長が暗殺される「相沢事件」に続いて発生した「二・二六事件」では、先述した高橋是清と斎藤実の他にも松尾伝蔵海軍大佐と渡辺錠太郎教育総監が殺害。さらに鈴木貫太郎侍従長が重傷を負い、前の内大臣だった牧野伸顕も襲撃されています。

ちなみに、エッセイ集『置かれた場所で咲きなさい』などのベストセラーがある渡辺和子さん(2016年12月30日に逝去)は、渡辺錠太郎の次女にあたります。

ここまでが、戦前の話になります。中には、「戦前というのはとにかく戦後とは全く違う暗黒の時代だった」というイメージが植え付けられており、だから暗殺などという野蛮な事件が起きていたのだろう、という印象を持つ人もいるかも知れません。

確かに、戦前の政治家の世界というのは、暴力と表裏一体のようなところがありました。政治家が襲撃に備えて拳銃や仕込み杖を携えていたなど、今では信じられない話もあったのです。

しかし戦後も、政治家に対する襲撃事件は後を絶ちません。

ここからは「戦後編」に続きます。

 

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