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尼将軍・北条政子も涙…謀反の疑いで出家させられた岡崎義実、その晩年は【鎌倉殿の13人】

尼将軍・北条政子も涙…謀反の疑いで出家させられた岡崎義実、その晩年は【鎌倉殿の13人】:2ページ目

「尼御台様の温かきお言葉、永年の労苦も報われ申す」

政子は側近の二階堂行光(にかいどう ゆきみつ。二階堂行政の子)を呼び、申し伝えます。

「羽林(うりん。将軍・源頼家)殿へお伝えせよ。入道殿は挙兵以来の勇士。永年の功労に報いる為、よき所領を与えられるようにと」

「ははあ」

かくして義実は加増にあずかり、ぶじ孫の岡崎実忠(さねただ。義忠の子)へ受け継ぐことができたのでした。

※ただし、実忠は建暦3年(1213年)の和田合戦で和田義盛(演:横田栄司)に加担しており、所領を失ってしまいます。

終わりに

もうこれで思い残すことはない……すっかり安堵したのか、義実は同年6月21日に89歳で亡くなりました。

岡崎四郎平義實法師卒〔年八十九〕。三浦庄司義繼四男云々。

※『吾妻鏡』正治2年(1200年)6月21日条

【意訳】岡崎四郎こと平義実入道が89歳で亡くなった。三浦庄司義継(みうら しょうじよしつぐ)の四男であったとか。

言及はこれだけ。例えば源氏3代(源義朝・源頼朝・源頼家)に仕えたとか、平治の乱で敗死した義朝の菩提を弔ったとか……それこそ頼朝の挙兵に参加したとか書くことはいくらでもありそうなのに、そっけないですね。

※岡崎義実が登場する記事はコチラ:

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まぁ、晩年は(梶原景時の弾劾状に署名を連ねるなどしているものの)空気みたいな扱いだったのかも知れません。だとすれば政子の温情がより一層沁みたことでしょう。

義実の墓は無量寺(神奈川県伊勢原市。岡崎城址)境内にあり、今も人々の暮らしを見守っています。

※参考文献:

  • 髙橋秀樹『三浦一族の中世』吉川弘文館、2015年4月
  • 永井路子『相模のもののふたち-中世史を歩く』有隣堂、1978年8月

トップ画像: 「鎌倉殿の13人」公式ページより ©NHK

 

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