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まさに「友の友たり」!平安貴族・伴友足がみんなと分かち合った鹿肉と思い出

まさに「友の友たり」!平安貴族・伴友足がみんなと分かち合った鹿肉と思い出:2ページ目

「もし地獄に堕ちることがあれば……」友人たちの評価

さて、ある日のこと。いつものように友足たちが狩猟を楽しんでいました。

「……お見事!」

大きな鹿を射止めたのは、百済王勝義(くだらのこにきし しょうぎ)。

「我が射止めしゆえ、我が鹿ぞ!」

自分で射止めたのだから、その鹿は自分のもの。もちろん当たり前なのですが、そんな態度に周囲は興醒めしてしまいます。

(わざわざ言わなくても、別にお前の分け前なんて求めないのに……)

たまに分け与えることがあれば大層と恩着せがましく、周囲もお義理で受け取るばかり。

一方、友足は鹿を射止めると、まずは天皇陛下への御贄(みにえ。お捧げもの)として良いところをとり、残りは余すことなくみんなに分け合いました。

「いつもありがとう」

「お陰で不猟(ボウズ)の時でも、妻や子供らに面目が立つよ」

「いいんだよ。山海の恵みはすべて神々の思し召しだし、こういうのはみんなで食った方が何倍にも美味いじゃないか!」

すがすがしい友足の態度にみんなは感心し、やがて口々に話し合ったと言います。

「もし何かの間違いで友足が地獄に堕ちるようなことがあれば、みんなで閻魔大王に無実を訴えようじゃないか」

「もちろんだ。アイツが地獄に堕ちるなんてありえないからな」

「逆に、勝義の野郎が何かの間違いで極楽へ行くようなことがあれば、みんなで閻魔大王に訴えようじゃないか」

「もちろんだ。あの野郎が極楽へ行くなんて、理不尽にもほどがある」

……友足へ恩義を感じていたことはよく分かりますが、勝義は一体みんなに何をしたのでしょうか。よもやケチなだけではないのでしょうね。

3ページ目 終わりに・武人として理想的な最期

 

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