「鎌倉殿の13人」いよいよ義経デビュー戦。佐竹征伐にどう動く?第10回「根拠なき自信」予習:2ページ目
正攻法がダメならば……
さぁ、こうなったら完全に交渉決裂。金砂城に立て籠もった佐竹秀義を攻めることになりました。
頼朝は数千の軍勢を繰り出し、それを率いるメンバーは以下のとおり。
下河辺庄司行平(しもこうべ しょうじゆきひら)
下河辺四郎政義(しろうまさよし)
土肥次郎実平(演:阿南健治)
和田小太郎義盛(演:横田栄司)
土屋三郎宗遠(つちや さぶろうむねとお。実平の弟)
佐々木太郎定綱(演:木全隆浩)
佐々木三郎盛綱(演:増田和也)
熊谷次郎直実(くまがい じろうなおざね)
平山武者所季重(ひらやま むしゃどころすえしげ)
しかし金砂城は天然の要害であり、なかなか攻め抜くことが出来ません。手こずっている間に日が暮れて夜になってしまいました。
……佐竹の搆へる所之塞(さい)は人力之敗れる可(べ)きに非(あらず)。其の内に籠る所之兵(つはもの)者、又一を以て千に當ら不(あたらず)は莫(な)し。能く賢慮を廻ら被(せら)る可し者(てへ)り……
※『吾妻鏡』治承4年(1180年)11月5日条
【意訳】佐竹の籠もる金砂城は人力で攻めきれるものではなく、しかも佐竹の兵はみな一騎当千の強者ぞろい。このまま力攻めを続けるのは考えものですぞ……
寅の刻(午前4時から前後2時間。11月≒新暦12月なので、午前4~5時ごろか)になって、実平や宗遠らが前線から使者を派遣。夜通しずっと戦っていたんでしょうね。
さぁ、どうしたものか……頼朝は再び御家人たちと策を練ります。
広常「俺に考えがある。もう一回任せてくれ」
義政がダメなら、今度は秀義の叔父・佐竹蔵人義季(くらんどよしすえ)を調略しようと言い出しました。
広常「アイツは知恵者だが人一倍の欲深でな。ちょいと鼻薬を嗅がせて(恩賞を約束して)やりゃあ一発で寝返る。内から攪乱させようぜ」
この策が成功して金砂城は一気に崩壊。身内から裏切り者が出るとは思っていなかった秀義は慌てふためき、城を捨てて奥州へ逃亡したという事です。