「鎌倉殿の13人」佐藤浩市演じる上総広常、史実ではどのように頼朝に味方した? 2月20日放送 第7回の予習:2ページ目
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「帰れ!」頼朝の毅然たるハッタリ
対する頼朝の軍勢はせいぜい数百騎。ようやく挙兵直後の勢力を取り戻したところ。そこへ2万騎もの大軍が加われば、もはや恐れることはありません。
「この戦、俺がついた方が勝ちだ」……そう豪語するのも納得ですが、頼朝はこれを拒絶します。
「今さら何をしに来た……帰れ!」
来いと言ったらさっさと来い。遅れて来る大軍よりも、ただちに駆けつける少数こそ、いざ有事には恃みになるもの……頼朝は源氏の棟梁として、御家人の遅参を叱りつけたのでした。
「佐殿。そんなことをして、もし広常が攻めて来たら……」
「黙れ!会わぬと言ったら会わぬ!」
これを聞いた広常は怒りそうなものですが、その毅然たる態度に却って心酔します。
「これでこそ君主と言うもの。二万の大軍を歯牙にもかけず、ただ一人で堂々と向き合う姿は、まごうかたなき武門の棟梁ぞ!」
もしも二万の大軍を前に尻尾を振り、媚びを売るような手合いであれば、ただちに討ってその首級を平家に差し出すつもりでいたとのこと。
捨て身のハッタリが功を奏した広常の説得。これをキッカケとして坂東武者たちは「源氏につくべし」と雪崩を打って頼朝に従い、東国における勢力基盤を確固たるものとしたのでした。
終わりに
以上、『吾妻鏡』より広常が仲間入りするまでの流れを紹介しました。
第7回「敵か、あるいは」では八重姫(演:新垣結衣)や北条政子(演:小池栄子)らに新たな動きや、ついに奥州の源義経(演:菅田将暉)が始動するなど見どころ多数。
2月20日(日)の放送が楽しみですね!
※参考文献:
- 五味文彦ら編『現代語訳 吾妻鏡 1 頼朝の挙兵』吉川弘文館、2007年11月
- 『NHK大河ドラマ・ガイド 鎌倉殿の13人 前編』NHK出版、2022年1月
- 『NHK2022年大河ドラマ 鎌倉殿の13人 完全読本』産経新聞出版、2022年1月
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