インパクト強すぎ!桓武天皇の妻となった藤原小屎(おぐそ)、その名前に込められた願い:2ページ目
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果たされた亡き祖父の悲願
ちなみに、彼女の入内についてはひと悶着あったそうで、祖父の藤原魚名(ふじわらの うおな)があまりにプッシュし過ぎたせいで鬱陶しがられ、魚名は失脚させられてしまったとか。
「我が孫を、可愛い孫娘を、是非とも……」
失脚してから間もない延暦2年(783年)に魚名は没してしまったものの、それを憐れんだのか、あるいは何か祟りでもあったのか、間もなく小屎の入内が決定。
亡き祖父の悲願が果たされたのですが、もしかしたら小屎から改名させなかったのは魚名が彼女を可愛がるあまり、
「もし美しい名前をつけて、鬼に連れ去られでもしたらどうするつもりだ!大人になったからと言って油断は大敵じゃ!」
などと、頑として変えさせなかったのかも知れません。
入内の前後に藤子と美しい名前に改めたであろう彼女ですが、やはり小屎という名前のインパクトが強すぎて、そのまま記録に残り続けたのでしょう。
やっぱり、可愛い子ほどシンプルに美しい名前をつけるのがいいようですね。
※参考文献:
- 森田悌『日本後紀 下』講談社学術文庫、2007年2月
- 亀田隆之『奈良時代の政治と制度』吉川弘文館、2001年2月
- 荒俣宏『日本仰天起源』集英社文庫、1994年9月
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