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平家の落武者伝説がここにも…高知県に伝わる300年以上の奇祭「早飯食い」とは?

平家の落武者伝説がここにも…高知県に伝わる300年以上の奇祭「早飯食い」とは?

「米(こめ)という漢字は、八・十・八が組み合わさって出来ているように、食べられるようにするまで88の手間暇がかかる。だから米を作ってくれたお百姓さんに感謝しながら、88回噛みしめて食べなさい」

昔はそんな教訓を伝えるお年寄りがいたもので、一口88回はさすがにアゴが疲れてしまうものの、ご飯はなるべくよく噛んで頂くように心がけています。

しかしそれは平時の話であって、いざ有事となればそんな事も言っていられず、例えば往時の武士たちは、敵の襲来に即応できるよう、少しでも早く食事を摂らねばならない場面がありました。

そんな情景を彷彿とさせる奇祭が、高知県高知市にあるそうで、その名は文字通り「早飯食い」。いったいどんなお祭りなのでしょうか。

味噌!味噌!湯!湯!……平家の落武者伝説に基づく奇祭

「早飯食い(高川の早飯ぐい)」は毎年11月8日、土佐山の高川仁井田神社で300年以上にわたって続けられてきたと言います。

平成16年(2004年)12月17日に高知市指定民俗文化財となっており、言い伝えによると、かつて平安時代末期の源平合戦に敗れ、土佐山へ逃げ延びて来た平家の落武者たちが、出陣に際して大急ぎで食事を摂ったことが起源なのだとか。

「敵襲!敵襲―っ!」

「おのれ、見つかってしまったか……」

「いざ、迎え撃たいでか!」

「その前に腹ごしらえを……」

なんてやりとりが繰り広げられたのでしょうか。

2ページ目 合図と共に味噌と湯を入れて一斉に掻きこむ!

 

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