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虫の声は日本人にしか聞こえない!?日本人と世界の人々の虫の声の聞こえ方について【前編】

虫の声は日本人にしか聞こえない!?日本人と世界の人々の虫の声の聞こえ方について【前編】:3ページ目

中国も「虫の音」を楽しんでいたが、それ以上に熱狂したもの

中国でも唐の時代から虫の音を楽しむ文化が宮廷を中心に発展しました。それが日本に伝来したものと思われます。

中国では一般市民でも虫を小さな容器にいれて、外を歩きながらふとその容器を耳にあてて虫の声を楽しむという文化もあり、これは中国独特のものです。

他にコオロギを闘わせる「闘蟋(とうしつ)」という伝統的な遊びがあります。どちらかというとこちらの方が盛んかもしれません。不思議なことにこれに興じるのは男性です。

この闘蟋はコオロギを闘わせ、ひと秋をかけて虫王を決める遊びです。今でも庶民の娯楽(賭博)として盛んです。お金を賭けることは禁止されていますが、飼い主たちはコオロギの育成に金と時間と知識のすべてを注ぎ、熱中のあまり家屋敷を失ったり、過去には国を滅ぼした者すらいたということです。

しかし、現代でも「虫の声」を発する虫を売る商売は中国で存在しており、中国にも虫の声を楽しむ文化はあるということになります。

つまり日本と中国・ポリネシア人には「虫の声」は聞こえますが、それ以外の国の人々は虫の音は聞こえるが、それが単なる「音」や「雑音」に聞こえてしまうということなのです。世界中でほぼ中国と日本だけというのもなんだか不思議ですね。

次回、【後編】に続きます。

 

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