虫の声は日本人にしか聞こえない!?日本人と世界の人々の虫の声の聞こえ方について【前編】:2ページ目
オノマトペとの関係
さまざまな状態や動きなどを音で表現する言葉を英語では“onomatopoeia”(オノマトペ)と言います。
たとえば実際に音がする擬音語の日本語のオノマトペは「犬は“ワンワン”と吠える」「咳を“コンコン”する」というように表現します。
実際には音の出ないものを言葉で言い表した擬態語の日本語のオノマトペは「白い雲が“フワフワ”浮かんでいる」「胸が“ワクワク”する」などが挙げられます。
セミなどの虫のさまざまな鳴き声を、日本では文字通り「鳴き声」と捉えますが、海外では虫の鳴き声は「雑音」として捉えられることが多いようです。
そのため、日本では「ミーンミーン」「カナカナカナ」といったセミの鳴き声を表す擬声語は、英語にはありません。
セミの鳴き声は英語で“cicada noise”(セミの音)や“buzz of a cicada”(セミの鳴き声)と言い、“noise”(雑音)や“buzz”(羽音)と表現されます。
日本語のオノマトペは外国語の3~5倍存在すると言われていますが、虫の声を認識することが少ない英語と比べるとそれはあたり前のことかもしれません。
つまり日本人は虫の音を言語脳で聞き取るので、自然とそこに意味や感情、情緒などを自然に付加するのではないでしょうか。
3ページ目 中国も「虫の音」を楽しんでいたが、それ以上に熱狂したもの