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新選組の天才剣士・沖田総司も参考にした?柳剛流を興した剣豪・岡田惣右衛門のエピソード

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「敵は身体で斬れ!」沖田総司の指導

さて、時は流れて沖田総司の「向こう受け反撃」。脛を斬りつける点で柳剛流と共通していますが、向こう受けとは何でしょうか。

「向こう受け(を狙う)」という言葉を調べてみると「人目を惹こうと、ウケ狙いでわざとらしいことをする」意味だそうで、わざとらしい挙動で敵の斬撃(ウケ)を誘い、スキのできた脛を(すれ違いざまに)斬り払う攻撃だったものと考えられます。

実際に戦った誰かが沖田総司の「向こう受け反撃」について、どういうものか言及していてくれればよかったのですが、そういう記録がない以上、考察の域を出ません。

時に、沖田総司は隊士らに剣術を教える際「刀で斬るな、身体で斬れ」と指導していた言い伝えがあるそうです。

この「身体で斬れ」とは「手先=刀だけでなく、思い切り踏み込んで全身を使って斬れ」≒「飛び違いに敵を斬り捨て、すぐ次の敵に立ち向かえ」という意味だったとすれば、まさに柳剛流のスタイルを採り入れていた可能性があります。

幕末の剣客集団・新撰組の中枢にあって名だたる剣豪たちを次々と子供扱いした(二番隊組長・永倉新八談)という天才剣士が、何を学び、どのように戦っていたのか。今後の研究によってその実像が明らかになる日が待ち遠しいですね。

※参考文献:
綿谷雪ら『武芸流派大事典』東京コピイ出版部、1978年12月
結城凛 編『歴史ミステリー 日本の武将・剣豪ツワモノ100選』ダイアプレス、2020年11月
木村幸比古『新選組と沖田総司 「誠」とは剣を極めることなり』PHP新書、2002年11月

 

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