終戦後に特攻した「神州不滅特別攻撃隊」そこには女性の姿も。彼らが残した思いとは:2ページ目
2ページ目: 1 2
夫婦で特攻した「神州不滅特別攻撃隊」の隊員
谷藤徹夫も、「神州不滅特別攻撃隊」の1人でした。彼は決心が鈍らないよう特攻前日、妻・朝子にその決意を明かしたそうです。それを聞いた朝子は 「命を落とさずとも、ロシアに辱めを受けるくらいなら、最愛の夫とともに敵軍に突撃して果てたい。私も連れていってください」と哀願したのだとか。
特攻当日、朝子は真っ白のワンピースを着て、夫の徹夫が乗る戦闘機に乗り込み大空へ飛びたちました。
「神州不滅特別攻撃隊」は「国敗れて山河なし 生きてかひなき生命なら 死して護国の鬼たらむ」と言う一句のみを残し、メンバー11人全員がロシアに特攻しました。
その後
日本軍は谷藤徹夫ら攻撃隊の行為について、 「特攻は降伏命令に反したもので、さらに2名、女性を同乗させた軍紀違反」と話しています。そのため、残された家族は戦没者遺族にも認定されませんでした。
そして長い間、誰にも触れられずに埋もれていた、戦争の犠牲となった攻撃隊たちと女性2名の悲しい物語だったのです。
さいごに
今回紹介した谷藤徹夫さん、朝子さんたちの実話は、ノンフィクション作家「豊田正義」氏が「妻と飛んだ特攻兵 8・19 満州、最後の特攻」としてまとめ、世に発表しました。
その後、「妻と飛んだ特攻兵」としてドラマにもなっており、谷藤徹夫役を成宮寛貴さんが、朝子役を堀北真希さんが演じています。
彼らの飛んだ空に再び悲しみを背負った戦闘機が飛ばぬよう、私たちは平和への努力を続けていく義務があります。
ページ: 1 2