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「紫陽花」の学名に愛する日本人女性の名を付けたシーボルトの愛情深いエピソード

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お気に入りの花に愛する女性の名を・・・

ところが、シーボルトが一時帰国をしようとした際、日本国外に持ち出し禁止の地図が船に積まれていることが発覚した(シーボルト事件)。幕府は地図の返却を要求したが、シーボルトは拒否。尋問と軟禁生活の末、国外追放処分を受けてオランダに帰国し、妻子とは離れ離れとなったのだった。

帰国後は日本研究に没頭するが、その中でも愛する妻子を忘れることはなく、1832年に刊行された『日本植物誌』では彼が特に好んだ紫陽花に、お滝さんの名で親しまれていた妻 滝の名前を入れ、“Hydrangea otaksa”(ハイドランジア オタクサ)という学名を付けている。

関東はまもなく梅雨入りとなり、じめっとする日々が続くことになるだろう。そんな時、ふと道端に咲く紫陽花に目を向けてみてほしい。お気に入りの花に愛する女性の名前を付けたシーボルトの愛情深いエピソードが、気分を軽くしてくれるかもしれない。

 

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