【今さら聞けない】幕末用語の素朴な疑問:明治「維新」ってどういう意味?その由来も紹介
黒船来航、尊皇攘夷、大政奉還、そして倒幕、戊辰戦争……などなど。
源頼朝公の鎌倉開府より700年近くの永きにわたった武士の世が終わりを告げ、日本が近代世界へ第一歩を踏み出した明治維新。
「ところで『維新(いしん)』ってどういう意味?」
その字面から、何だか世の中が一新されそうな感じはするものの、できればもう少していねいに理解していた方が、歴史ファンとしてはスッキリするところ。
そこで今回は、明治「維新」の意味と由来について紹介したいと思います。
天から祝福される政治を!藤田東湖の決意表明
幕末において維新という言葉が使われるようになったのは、水戸藩士・藤田東湖(ふじた とうこ)が藩政一新の決意を述べる際に引用した
「周雖旧邦其命維新」
(しゅう、きゅうほうといえども、そのめい、これあらたなり)【意訳】周は古い王朝であるが、その天命は新しさを維持している。
……という『詩経(しきょう。古代中国の詩集)』の一節が出典(※)とされています。
(※)諸説あり。また、幕末以前にも維新の用例はありますが、今回は割愛。
古来、中国大陸では「天命(天からの命令or使命≒祝福)をうけたものが天下を支配する」ものとされ、悪政によって天に見放された王朝は滅び、また新たに天命をうけた者がなり代わるという思想があります。
これがすなわち「天命を革(あらた)める」易姓革命なのですが、周は長期政権におごることなく善政に努めたため、天命はなお新しさ≒鮮度を維持していたのです(少なくとも当時は)。
そして2000年以上の歳月を経た江戸時代の水戸藩も同じく、天から見放されぬよう政治を一新する決意を述べたのでした。
この事から「天から祝福される国家(王朝)の正当性を維持できるよう、課題を解決していく政治的刷新」を「維新」と呼ぶようになったのです。
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