新旧1万円札の顔「福沢諭吉」と「渋沢栄一」実は知り合いだった!2人の共通点など紹介:2ページ目
共通点1:身分にこだわらない2人
明治時代の日本人10人に1人が読んだと言われる、諭吉の大ヒット作「学問のすすめ」には、「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず、と云えり」と記されています。
さらに読み進めると、「学べば偉くなって暮らしも豊かになり、学ばなければ貧乏になる」ことや「学ぶことが優劣の差を埋める武器となる」という文言も。
これは、「人は生まれたときは平等だが、学ぶことを放棄すれば貧富や身分の差は開いていく」という意味で、現代においても共感できる内容となっています。
栄一は身分にこだわらず、江戸時代ではいちばん身分の低かった商人たちの「商売」を大切なものとして世に広めています。
共通点2:海外で学んだ2人
海外で学ぶ人が少なかった明治の時代、栄一はフランスやアメリカ、ヨーロッパなどの国へ行っていますし、諭吉もアメリカやイギリス、ロシアなどへ行っています。
広い世界をみて感性を磨き、上手に取り入れたことも、2人が成功した大きな要素のひとつと言えるでしょう。
共通点3:身分制度を憎んだ2人
江戸時代、財政不足を補うために幕府や藩などが、商人などに応急的に命じたお金を御用金と言います。
年貢のように返済されるわけでもない御用金を集めるにもかかわらず、威張り散らしている代官の態度に、栄一は反発。封建的な身分制度を憎むことにつながりました。
下級士族の子として生まれた諭吉もまた、「門閥制度は親のかたき」と言い、身分制度を憎んでいます。
「門閥制度」とは、武士の子供であれば武士になる、農民の子供であれば農民になる、など、生まれた家の身分や地位を引き継がなければならない仕組みのことです。