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「御用だ!」使いこなせば奥が深い?時代劇で岡っ引きが持っている十手の歴史

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達人・新免無二斎ほか色々な十手術流派

では、十手が武器として強くなかったのかと言えば決してそんなことはなかったようです。

例えば剣豪・宮本武蔵(みやもと むさし)の父と言われる新免無二斎(しんめん むにさい)は当理(とうり)流十手術の流祖として、その実力を時の室町将軍・足利義昭(あしかが よしあき)より激賞されたと言われます。

他にも、色々な十手術(流派によって実手などとも)があったようです。

一角(いっかく)流十手術
江戸時代初期/權藤角右衛門(ごんどう かくゑもん)

駒川改心(こまがわかいしん)流十手術
戦国時代後期/駒川太郎左衛門尉国吉(こまがわ たろうざゑもんくによし)

渋川(しぶかわ)流十手術
江戸時代初期/渋川伴五郎義方(しぶかわ ばんごろうよしまさ)

竹内(たけのうち)流
戦国時代中期/竹内中務大夫久盛(たけのうち なかつかさのたいふひさもり)

……など、その多くが十手術以外にもオーソドックスな剣術や柔術、杖棒術や小太刀をメインに、縄(捕縛、絞殺)、鉄扇、手裏剣といった暗器(あんき。隠し武器)も教えているようです。

現代ではあまり注目されない十手術ですが、近ごろはかつて捕り物道具だった「刺叉(さすまた)」が採り入れられている施設も増えて来たので、十手も防犯用品として、脚光を浴びる日が来るかもしれませんね。

※参考文献:
名和弓雄『間違いだらけの時代劇』河出文庫、1989年7月
名和弓雄『絵でみる時代考証百科(捕者道具編)』新人物往来社、1985年3月
名和弓雄『図解 隠し武器百科』新人物往来社、1977年5月

 

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