Japaaan読者の皆さんこんにちは、ライターの小山桜子です。日本中の皆様が待ち望んだこの時がついに訪れました。2016(平成28)年4月の熊本地震での被災から5年、熊本城の天守閣がいよいよ修復工事を終え、約5年ぶりとなる天守閣内部の一般公開が、来たる4月26日に始まります!
熊本城の美しさ
熊本城は築城の名手・加藤清正によって、1601(慶長6)年から6年もの歳月をかけて築城されました。現在の天守閣は西南戦争で焼失して以降、昭和35年に再建されたものですが、天守台は慶長年間に創建された当時のままです。
石垣の角の部分に算木積みという技術がまだ使われていない事からも分かるように、石垣築造技術が完全には確立されていない頃のもので、下部の緩やかな勾配から上部に向かうにつれて急勾配になる「武者返し」の美しさと防御の屈強さは、見る者を圧倒します。
震災後の被害状況
熊本城は日本を代表する名城の一つとして今日に至るまで多くの人々に親しまれていますが、2016年の4月14日に発生した熊本地震の前震と本震によって、平左衛門丸石垣などを含む石垣の一部が6箇所崩落したほか、石垣石の落下が複数個所で確認され、また重要文化財の長塀が長さ100メートルにわたって倒壊しました。
大小天守においては石垣や屋根瓦の一部が崩落、鯱も失われました。
復旧した天守閣は展示も充実
この度5年の歳月をかけて再建した大天守、小天守の内部には、新たにダンパーなどの耐震設備やエレベーターが導入されています。展示の内容としては城の構造や歴史を学ぶことができる映像展示のほか、天守の実物大の入母屋破風を体感できる展示もあります。
江戸時代の熊本城と城下町を再現した大型模型なども用意され、大人から子供まで楽しむことができる充実の内容です。これは行くっきゃないですね!
参考文献:小和田哲男「名城の石垣図鑑」