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これぞ悪党の美学?『徒然草』が伝える鎌倉時代の刈田狼藉に、吉田兼好も苦笑い

これぞ悪党の美学?『徒然草』が伝える鎌倉時代の刈田狼藉に、吉田兼好も苦笑い

また、罷(まか)るとは「理不尽がまかり通る」「まかり越してござる」などと言うように、本来ありえない、あるべきでないことがあってしまうことを指しますから、「僻事せんとて罷る者」とは「百も承知で悪事をはたらこうとする者」となります。

「無茶苦茶な命令だから、受ける態度も滅茶苦茶であるべき」

筋の通らないことをするなら中途半端な分別は捨てて、とことん筋を違えていこうとする辺りに、ある種の美学?を感じてしまうのは、きっと筆者だけではないはずです。

もちろんやっちゃダメですし、真似るつもりもありませんが、こういう極端な人物・事例を見ると、善悪の判断基準やバランス感覚を養う反面教師として、非常に興味深く感じられます。

※参考文献:
島内裕子 訳『徒然草』ちくま学芸文庫、2010年4月
浅古弘ら編『日本法制史』青林書院、2010年8月
清水義範『身もフタもない日本文学史』PHP新書、2009年7月

 

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