「うどん県」の「攻め」が、止まりません。
そのあまりの開き直りぶりで日本全国に衝撃を与えた、香川県による「うどん県」PR。
「誰もがこっそり思ってることを、思われてる当人が一番大きい声で言う」という正に荒業ですが、しかしこのPR、別に「香川はやっぱりうどんなんだ!うどんしかないんだ!!」と言ってるわけではありません。
むしろ、逆です。公式サイトのタイトルは、はっきりと「うどん県。それだけじゃない香川県」。あまりにも定着している「うどん」を一旦ネタレベルに昇華し、その影に隠れがちな香川県の他の魅力にも気づいてもらおうというのが、このPRの本意なのです。
うどん以外のアピールは、着々と進んでいます。県東部の東かがわ市は、手袋の出荷額が日本一であることから「てぶくろ市」と「改名」を宣言。てぶくろ市章バッジやプロモ動画も、現在本気で製作中です。
これを受け、県西部の市も負けじと「改名」を思案。丸亀市は名物の骨付鳥から「骨付鳥市」、観音寺市は特産のいりこから「いりこだ市」を考えてます。瀬戸大橋のお膝元・坂出市が「せとおおは市」とか、空海生誕の地・善通寺市が「弘法大市」とか言い出すのも、時間の問題かも知れません。
もうちょっと穏やかな感じの話だと、県はアートの発信地になろうと芸術作品のコンペを開始。「香川でインスピレーションを受け取って、その人にしかできないユニークな表現作品をつくってほしい」と、全国のアーティストに応募を呼びかけてます。
また、高松市は市の特産品・盆栽を売り込もうと、市内のうどん店に盆栽を設置。高松市のうどん屋といえば多くがセルフ店であり、昼時の店内はまるで戦場。盆栽をゆっくり見る暇があるのかどうかはかなり謎ですが、とにかく「攻め」てます。
この夏は、そんな「うどん県」へ「うどん」以外の魅力を探しに訪れるのもいいかもしれません。
もっとも、玄関口である高松駅の愛称は思いっきり「さぬき高松うどん駅」ですが。