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老人の繰り言と侮るな!武士道のバイブル『葉隠』が説いた、経験を伴う言葉の重み

老人の繰り言と侮るな!武士道のバイブル『葉隠』が説いた、経験を伴う言葉の重み

古来「親爺(おやじ)の小言と冷酒(ひやざけ)は後で効く」と言いますが、若い内は「一度聞けば覚えられる」情報に過ぎない知識でも、年齢を重ね経験を積んでいく内、

「あぁ……あの時、親爺が言っていたのは、こういう事だったのか!」

と腑に落ちて、今後の人生に活かせる知恵を体得できるかも知れません。こと戦さ場で命を懸けた武士なればこそ、血を流して得られた教訓は、現代人には想像もつかないほどの重みをもって伝えられたことでしょう。

終わりに

……と、『葉隠』の作者(口述者)である山本常朝(やまもと じょうちょう)は伝えているのですが、実はこの『葉隠』にも、似たような内容・エピソードがちょくちょく出てきます。

※参考:例えばこんなエピソード。他のテーマでも散見される。

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「あの、先生……さっきから似たようなお話しが何度か……」

もしかしたら、常朝の話を書き取っていた田代陣基(たしろ つらもと)が指摘したことに対して、常朝が「う、うるさいっ!似たような話でも、繰り返すことに意味があるのじゃ!いいから黙って聞け!」など逆ギレ?したのかも知れませんね。

※参考文献:
古川哲史ら校訂『葉隠 上』岩波文庫、2011年1月

 

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