武田信玄が戦国最強軍団を築けた秘密?それは、家臣の意見を採用する合議制にあった【後編】:3ページ目
リーダーシップが合議制を成功させた
家臣団の信頼と結束を固めるため合議制を採用し、武田家を戦国最強軍団へと成長させた武田信玄。
その成功は、信玄が強力なリーダーシップを発揮したことにありました。ただ意見を聞くだけなら誰にでもできます。問題は、その意見の善し悪しを判断して、まとめ上げる力があるかどうかです。
もし、合議の席で結論が出なければ、リーダーが毅然たる態度で、結論を出し、家臣たちを納得させなければなりません。信玄は、常に強力なリーダーシップを発揮して、明確なビジョンを打ち出し、家臣団を導いたのです。
また、信玄は自分に対しても常に厳しい態度で臨みました。
「晴信が定めや法度以下において、違反しているようなことがあったなれば、身分の高い低いを問わず、目安をもって申すべし。時と場合によって自らその覚悟をする」
と述べています。
これは、信玄が定めた決まりを家臣や領民だけに押し付けるのではなく、国主である自分もその束縛を受けるのだ、という意味です。
信玄は、自分も武田家という組織の中の一員であると考えていました。だから、決めごとに違反した時には、自分にも厳しく罰すると明言したのです。
信玄のようなリーダーがいたからこそ、家臣たちは信頼と結束の絆で結ばれ、戦国最強といわれる強靭な組織が構築されたのでした。
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