着物のアメリカ人に中国風のロンドン橋?江戸の人々の異国好奇心を満たした「横浜絵」とは:2ページ目
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着物を着たワシントンのアメリカ人?中国風のロンドン橋?
見たこともない異国の風景を想像で描いたからこそ、現代人の私達がくすっと笑ってしまうような作品もある。
例えば、歌川芳員がワシントンを描いた『亜墨利加州内華盛頓府之景銅板之写生』では左に描かれたロバに寄りかかる男性が着ているのは、どう見ても着物である。
また、歌川芳虎が描いたロンドン橋はどこか中国風で、思わず二度見してしまうようなデザインだが、左上にはセントポール寺院が描かれるなど、ロンドンの街並みを華やかに描き出している。
少しの資料と絵師の想像で描かれた遠い異国の風景は、開国間もない当時の日本の人々の好奇心をかき立て満たし、また居留地の風景や風俗を描いた作品は現代では貴重な歴史史料として大きな役割を果たしている。
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