2023年の冬至は12月22日!カボチャと柚子湯の習慣、始まりは江戸っ子たちのダジャレから?:2ページ目
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柚子湯の始まりは、江戸っ子たちのダジャレから?
一方、柚子湯の習慣はどういう理由で始まったのでしょうか。調べてみると江戸時代、天保9年(1838年)に発行された斎藤月岑『東都歳時記』に
冬至。星祭。今日諸人餅を製し、家人奴僕にも与えて陽復を賀す。又来年の略暦を封じて守とす。今日、銭湯風呂屋にて柚湯を焚く
【意訳】
冬至には星祭り(※1)があり、各商家では餅をついて家族や使用人に与え、一陽来復のお祝いをする。また来年のカレンダー(暦)を巻き包んでお守り(※2)とする。銭湯では柚子湯にする。(※1)未詳。七夕の冬バージョンでしょうか。昔は今以上に夜空がキレイだったでしょうね。
(※2)これが穴八幡宮(東京都新宿区)で有名な「一陽来復」お守りの起源でしょうか。
とあります。柚子は融通(ゆうづう)に通じ、冬至は湯治(とうじ。湯につかって傷病を癒す)に通じることから
「冬至の晩には柚子湯につかって湯治して、あらゆる運勢を融通(=開運)しよう!」
というダジャレから始まったそうです。
こういう話をすると、多くの方は「しょうもない……」と苦笑いされますが、笑う門には福来ると言いますから、大口開けてよく笑い、柚子湯の湯気と一緒に一陽来復の運勢もたっぷり吸い込むといいでしょう。
終わりに
以上、カボチャと柚子湯の習慣について調べてみましたが、「冬至の七種」なんてあったんですね。初めて知りました。
別に知らなくてもカボチャは美味しいし、柚子はかぐわしいものですが、こういう雑学をちょっと知っていると、先人たちの知恵やユーモアを身近に感じられて、季節の行事がより一層楽しめることでしょう。
※参考文献:
棚橋正博ら編著『絵でよむ江戸のくらし風俗大事典』柏書房、2004年9月
新谷尚紀 監修『日本の「行事」と「食」のしきたり』青春出版社、2004年11月
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