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2020年の公開は終了間近!国宝 太刀 銘三条 <名物 三日月宗近>がトーハク常設展で公開中

2020年の公開は終了間近!国宝 太刀 銘三条 <名物 三日月宗近>がトーハク常設展で公開中

現在(令和2年11月16日現在)、東京・上野の東京国立博物館の総合文化展(常設展)にて、国宝「太刀 銘 三条」、「名物 三日月宗近」が公開中です(公開期間:令和2年11月29日まで)。

天下五剣の一振

今年五周年を迎えた大人気の刀剣育成ゲーム、「刀剣乱舞」などでも人気を博す三日月宗近。その魅力とはどこにあるのでしょうか。それはなんといってもその優美さにあるでしょう。

三日月宗近は日本に数多ある刀剣の中でも特に名刀とされる「天下五剣」の一振に数えられ、そのうちでも特に美しいことで知られています。

刀工・三条宗近

三日月宗近は平安時代の山城国(京都)の刀工・三条宗近の作です。三条宗近は貴族や皇族の依頼を多く受けていた刀鍛冶で、いわゆる「人を斬るための刀」というよりは、天下安寧の祈りを込めた神聖な守り刀や、鑑賞するための美しい刀を多くつくりました。

伝来

三日月宗近の伝来は、豊臣秀吉の正室である高台院(おね)から江戸幕府二代将軍・徳川秀忠に伝わり、個人の所持を経て東京国立博物館に寄贈された事などが知られています。しかし高台院の所持以前の伝来は諸説あり、どれも確定はしていません。

一説には、2020年大河ドラマ「麒麟がくる」で向井理さんが演じて話題となった室町幕府13代将軍・足利義輝が所持していたなどとも言われています。

見どころ

三日月宗近の刃長は約79.9cm。腰反りが強く、鋒に向かって身幅が細くなる優美な姿は、平安末期の作に多く見られる特徴をよく表しています。

地金は板目(木目のような模様)や柾目(真っ直ぐ流したような模様)の間に小板目(細かな木目のような模様)といった様々な模様を見ることができます。

そして小乱れを基調とする刃紋にみられる「打ち除け」という刃中の動きが、この刀のもっとも個性的な特徴。

肉眼でもはっきり見ることができます。この打ち除けが三日月のように見えるので、「三日月宗近」と呼ばれるようになったのです。優美な名刀の肌に浮かぶ、美しい三日月模様は必見です。

 

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