日本は太陽=女性の国…神話の時代より男性を奮い立たせてきた「妹の力」とは:2ページ目
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一方、民間レベルでも「女性にまつわるものを身に付けると霊験がある」という信仰は根強く、例えば博奕などの勝負に際して女性の髪や小物などをお守りに持って行くとか、あるいは弾除けになると信じられた千人針(せんにんばり※)もその一種と言えます。
(※)手拭いに赤い糸玉を一人一針ずつ縫い付けたお守り。より多くの女性が手掛けることで霊力が増すと信じられ、近代において出征を控えた兵士の親族が街頭に立って、女性たちの協力を求める光景が見られました。
「女性とは、男性を加護する霊力が秘められた特別な存在である」
時代と共に中華大陸的な男尊女卑思想が普及していっても、日本人男性の根本精神には女性を太陽として崇敬する思想(※)が受け継がれ、ここ一番の大仕事に加護を得ています。
(※)日本神話における最高神は、太陽の女神であるアマテラスオオミカミ(天照大御神)です。
日本は「ひの(照らす)もと」という名が示す通り「太陽の国」であり、太陽である女性の加護を受けた男性が力を奮って共に助け合い、いつまでも幸(さきわ)い続けることを願っています。
※参考文献:
柳田国男『妹の力』角川ソフィア文庫、2013年7月
『日本国語大辞典』小学館、1973年3月
倉野憲司 校注『古事記』岩波文庫、1963年1月
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