日本一の霊峰・富士山を水源とする、8つの湧水池が集まった忍野八海。江戸時代は、富士山に入山する前に、身を清めるために人々が訪れる巡礼地でした。
「出口池」を一番霊場とし、8つの湧水池を巡る「八海巡り」が行われていたのです。そして、それぞれに竜王を祀る8つの湧水池は、実は占星術により北斗七星の形に見立てられているそう。
神秘的なパワースポット・忍野八海の8つの湧水池に伝わる話をご紹介しましょう。
霊峰・富士山を水源とする8つの海
山梨県南都留郡忍野村にある忍野八海は、かつて湖でした。何度も起こった富士山の噴火活動を経て、徐々に湖が枯れ、富士山の伏流水を水源とした湧水池が残りました。
その代表的な湧水池8つが、現在の忍野八海で、それぞれに水や雨を司る竜王が祀られています。
池ではあっても、とても神聖で尊い存在なので「海」と名付けられ、古い言い伝えが今でも語り継がれているのです。
江戸時代に流行した民間信仰の一つ富士講の人々は、富士登山の際に身を清めるためこの8つの湧水池を巡りました。この時代の人々は、大きな噴火を非常に恐れていたため富士山を拝む信仰が広まったとか。
湧水池の透明度は高く、悠々と泳ぐ魚たちがまるで宙空に浮いているように見え、思わず吸い込まれそうになります。
忍野八海は、春は桜、夏は新緑、秋は紅葉に彩られる景勝地。2013年には世界文化遺産にも登録されました。