トラウマ続出?背筋がゾワゾワくる大分県の怖い昔話「吉作落とし」を紹介【上】:2ページ目
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吉作、ふとした油断から絶体絶命のピンチ!
そんなある日、断崖絶壁に吊り下がって一人で岩茸採りに励んでいた吉作は、どうにか人一人が座って休めるくらいの岩棚を見つけます。
吉作は片手で縄を掴み、もう片手の竹ベラで岩茸をこそいで腰の篭に入れる作業スタイルをとっており、少し縄を掴む手が疲れていたので、そこに下りて休むことにしました。
「やれやれ、今日もたくさん採れたわい」
まだ同業者が知らない穴場を見つけ、篭にギッシリ詰まった岩茸を眺めながらご満悦の吉作。断崖絶壁だけあって眺めは良好、風も涼しく吹いて汗も疲れも引いていきます。
「さて、そろそろ戻ろうか……」
と、立ち上がった吉作でしたが、縄に手が届きません。
「あれ?」
縄は吉作の体重によって伸び切っており、それが手を離した瞬間に縮んでしまったようです。
「あぁ、何てこった!」
いくら跳んでも縄にはとうてい手が届かず、持っているのは小さな竹ベラと岩茸の詰まった篭だけ……自力での脱出が絶望的となった吉作は、声を限りに助けを呼ぶよりありません。
「おーい、助けてくれぇ……っ!」
さて、村人は吉作の遭難に気づいてくれるのか、あるいは自力で脱出する起死回生の秘策を思いつくのか……吉作の運命を思うと、喉の奥から汗がにじみ出てくるようです。
※参考文献:
大分県小学校教育研究会国語部会 編『大分の伝説』日本標準、1978年
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