レトロ感がたまらない!ドリフターズにリメイクされた名曲たち。その元ネタを紹介!:3ページ目
平和節/ドリフのバイのバイのバイ
♪めでたい めでたい おめでたい 戦争(いくさ)がすんで おめでたい
物価の高いのも おめでたい 花火をあげろ 旗立てろ
いざ祝え みんな祝え 天下泰平おめでたい 日本が一番おめでたい
日本米(にっぽんまい)は高いから パイのパイのパイ
南京米(なんきんまい)やトンキン米でフライ フライ フライ……♪※作詞:添田さつき「平和節」1番
時は大正時代。第一次世界大戦で戦勝国となった日本のおめでたいムードをはじめ、好景気に乗じた物価の高騰や、その後の世界情勢などが歌われていきます。
ただし、世間のはしゃぎっぷりとは裏腹に、あまり庶民の生活向上にはつながらず、やがて世界恐慌、第二次世界大戦へと暗い影を落とすのでした。
ちなみにトンキンとは現代のベトナムを指し、倍の倍の倍になる勢いで高騰する国産米の代わりに、中国大陸で作った南京米などと共に食べられていたようです。
元歌の社会諷刺に対して、ドリフターズでは独り身の淋しさを歌う曲としてアレンジされており、この主人公が幸せになることを願わずにはいられません。
他にもたくさん!探してみよう!
以上、今回はお気に入りの3曲を紹介しましたが、ドリフターズの曲にはどこかで聞いたような懐かしさを感じる曲がまだまだあります。
歌の主人公は大抵ドジで失敗ばかりですが、それでも明るい未来を信じて前向きに生きて行こう……そんなメッセージが感じられるでしょう。
※参考文献:
江波戸昭『戦時生活と隣組回覧板』中央公論事業出版、平成十三2001年12月
大和田建樹・奥好義編『明治唱歌 第一集』中央堂、明治二十一1888年5月
添田知道『添田唖蝉坊・添田知道著作集 4 演歌の明治大正史』刀水書房、平成十七2005年3月