自宅でのまったり時間は歴史小説を読もう!日本が誇る3人の作家と代表作を紹介
自宅でまったり過ごす際に小説は最適だ。中でも人気ジャンルである歴史小説に興味がある方もいるのではないだろうか?この記事では膨大な作家や作品群の中から、最初に押さえておきたい王道の作家と代表作をご紹介したい。
歴史小説と時代小説の違い
一般的に混同されがちな「歴史小説」と「時代小説」。実は文学的には明確な違いがある。
歴史小説は、歴史上現実に存在した人物を史実に基づき描くことに対して、時代小説は主要な登場人物が必ずしも歴史上存在したとは限らず、事実関係も作者の創作である場合が多い。歴史小説はノンフィクションベース、時代小説はフィクションベースのジャンルといえるだろう。
おすすめ作家3選
日本の歴史・時代小説を語る上で知っておきたい作家は多い。すべてを紹介することはできないため、この記事では3人に絞ってみたいと思う。
司馬遼太郎
大阪出身。新聞記者を経て作家へ。昭和を代表する歴史作家として数々の名作を生み出す。映画化やドラマ化など映像化された作品も多数。独自の史観から構成される歴史解釈は“司馬史観”と呼ばれ、現在でも広く読み継がれている。
・代表作
「梟の城」・・・太閤秀吉暗殺の依頼を受けた伊賀忍者「葛籠重蔵(つづらじゅうぞう)」の活躍を描く。直木賞受賞作品であり、司馬の出世作。
「竜馬がゆく」・・・明治維新下の日本。土佐脱藩浪士である坂本龍馬の生涯を描いた司馬の代表作。現在の龍馬のイメージはこの作品の影響が強いといわれている。
「国盗り物語」・・・一介の油売りから美濃の国守へと上り詰めた斎藤道三と、尾張の若き武将織田信長の活躍を描いた人気作品。
「坂の上の雲」・・・明治維新以降、国際社会の中で軍事国家として成長する日本を、秋山好古、秋山真之、正岡子規という3人の主人公の生涯を軸に描いた名作。
吉川英治
大衆文学の代表的作家。神奈川県出身。勤務していた新聞社が関東大震災の影響で解散したことを契機に作家として一本立ち。その後数々のヒット作を発表する。
・代表作
「宮本武蔵」・・・言わずと知れた吉川英治の代表作。江戸期に活躍した剣豪・宮本武蔵の生涯を描く。物語の大部分は史実とは異なる吉川の創作であり、フィクション要素の強い時代小説。戦時下の日本で発表されたこともあり人気をはくした。
「新・平家物語」・・・題材は平家物語だけに止まらず、複数の資料を元に平安時代から鎌倉時代の戦乱期を描いた吉川後期の代表作。