完成させるのは使い手。絞り染めを制作途中で止め製品化「TOCHU スカーフ&ストール」が素敵!
京提灯の特徴を活かした「CHOCHIN CAP(ちょうちんキャップ)」や、錺金具の技によって作られた「錺金具(かざりかなぐ) アイススプーン」など、京都の伝統工芸の技術を取り入れたユニークなアイテムを手掛ける「Whole Love Kyoto」から、新商品「TOCHU スカーフ」、そして「TOCHU ストール」が発表されました。
「TOCHU(トチュウ)」とは、「工芸は、プロセスが面白い。」というところに着目し、制作の“途中”で止めて製品化したスカーフ&ストールなんです。
布の一部を縛ったり挟んだりすることで、その部分のみを防染し、模様を作り出す絞り染めの技法が使われています。京鹿の子絞りの職人“たばた絞り”(壬生)との共同制作。
「TOCHU」は絞り染めの最終工程である”型板をはずす工程”や、”紐をほどく工程”は完了していません。購入者やプレゼントされた方など、使い手自身でこの工程をおこない、完成させるんです。
プレゼントのラッピングを開く楽しみと同時に工芸を学ぶ時間にもなるわけですね。
なお、TOCHUは“モダール シルクシャンブレー”の生地を使用しています。このシャンブレーは、モダールとシルクの混紡糸を使用した、抜群のやわらかさが特長です。(※シャンブレーとは、経緯に各々異なる糸を使った平織り生地のこと。)
ストールとスカーフのデザインは共に「雪花絞り(せっかしぼり)」と「横段絞り(よこだんしぼり)」が用意されています。
雪花絞り(せっかしぼり)
雪花絞りとは、三角の板(型板)の間に、折りたたんだ布を挟み、染めることで模様を作る技法のことです。三角の板のため、この技法からできる模様は、雪の結晶のように見えることから雪花と呼ばれています。染料は、 粒子が細かくないものを使用することで、はっきりとした形の柄ではなく、 ぼんやりとした染め上がりになり、瑞々しい柄が美しいです。
横段絞り(よこだんしぼり)
横段絞りとは、生地を八つ畳み(山折り谷折り)にして、等間隔に糸を絞り、染めない部分を一段飛ばしで防染して染める技法のことです。絞りの技法でボーダーを作っているため、本来ボーダーと聞いてイメージするまっすぐな線ではなく、少し絞りの雰囲気が残った線が魅力的です。
TOCHUのスカーフ、ストールは、Whole Love Kyotoのオンラインショップで発売中。発送は5月頃を予定しているとのこと。