2年ぶりに展示中!北斎の娘・葛飾応為の名作「吉原格子先之図」の魅力【前編】

小山 桜子

東京都・原宿という都会のど真ん中にありながら、常設的に浮世絵を楽しむ事ができるという事で、長年愛され続けている美術館、太田記念美術館。

現在開催中の展示会は「 開館40周年記念 太田記念美術館所蔵 肉筆浮世絵名品展 ―歌麿・北斎・応為」(開催期間:2020年1月11日(土)から2月9日(日)まで)と題し、太田記念美術館が所蔵する名品の中から肉筆浮世絵のみを集めて展示した、開館40周年に相応わしい大変豪華かつ貴重な展示会テーマとなっています。

目玉は葛飾北斎・応為親子

その中でも、今回特に目玉となっている作品たちがあります。それは日本が世界に誇る天才浮世絵師・葛飾北斎の作品と、彼の娘として、近年特に注目を集めている葛飾応為の作品です。まさに豪華すぎる親子共演。特に見逃せないのが葛飾応為の代表的な作品、「吉原格子先之図」です。

それというのも、目にする機会の多い北斎の作品に比べて、応為の作品はただでさえ世界中で数が数点しか確認されていません。

そんな数少ない彼女の作品の中でも大変人気の高い代表作、「吉原格子先之図」は太田記念美術館にしかなく、しかも今回の展示会で約2年ぶりに展示されるという超レア作品だからです。

本作品は光と陰の効果を巧みに操り、吉原遊郭の夜を幻想的に切り取った美しい肉筆画です。一度は目にしたことのある方も多い事でしょう。

2ページ目 葛飾応為「吉原格子先之図」の魅力

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