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酒35リットル、饅頭50個、ご飯68杯…江戸時代に繰り広げられた大食い大会のビックリ記録!

酒35リットル、饅頭50個、ご飯68杯…江戸時代に繰り広げられた大食い大会のビックリ記録!:3ページ目

蕎麦の部

江戸庶民の定番食と言えば、蕎麦を外すことは出来ませんが、こちらの記録は新吉原の桐屋五左衛門(きりや ござゑもん)さん45歳が保持しており、もり蕎麦63枚とのことです。

落語「そば清(せい)」で主人公の清兵衛(せいべゑ)が挑戦して果たせなかった60枚を、五左衛門は見事にクリアしたのですが、よい薬草でも見つけたのでしょうか。

また、記録にはありませんが、味つけは単に蕎麦つゆだけだったのか、それとも葱や山葵をうんと入れたのか、あるいは他の具材(天ぷら、油揚げ等)も入れたのか、とても気になるところです。

終わりに

以上は文化十四年3月23日、両国柳橋の「万八楼(まんぱちろう。正式名は万屋八郎兵衛)」で開催された大飲大食会の記録とされていますが、本当にこんな量を食べられたのか、いささか眉唾ものではあります。

※そのせいか、万八楼を元からあった「万八(まんぱち。嘘の別称)」の語源とする俗説まで唱えられました。

しかし「本当に食ったのか」「食っておらねば嘘だ許さぬ」などと責めるのも野暮と言うもの。それよりも開けっ広げに「俺はこんなに食ったぜ」「あいつはあんなに平らげた」「すげえ!」と景気よく盛り上がった方が、人生は楽しく過ごせます。

苦しい思いで腹に無理やり詰め込むのは食べ物も勿体ないですし、こうした無邪気な駄法螺を明るく楽しむ江戸人の大らかさは、何かと世知辛い昨今における一服の清涼剤にも感じます。

※参考文献:
杉浦日向子『一日江戸人』新潮文庫、平成二十二年6月10日 第21刷

 

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