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晩秋の風物詩「柿すだれ」が存亡の危機?

晩秋の風物詩「柿すだれ」が存亡の危機?

「柿すだれ」をご存知でしょうか?屋根の軒下に、無数の吊し柿が、すだれのように並んでいる光景の事です。

これは、干し柿を作る上で、かかせない工程のひとつで、渋柿の皮をむいて、軒先に吊るし、寒風にさらす事で独特の甘みを生ませる…という昔ながらの製造法です。生産地では、晩秋の風物詩として、長く親しまれてきました。

また情緒・風情を感じさせる風景でもあることから、わざわざ遠方から、写真におさめようとやって来るカメラマンの方々もいらっしゃるほどです。

その「柿すだれ」が、近年、存亡の危機にあるのをご存知でしょうか?

もちろん、生産者自体の数が減ってきている事も、あるのですが、一番の理由は、衛生・品質管理上の問題です。干し柿を、広く全国に出荷していく為には、更なる徹底した品質管理が必要になったという訳です。それによって、カビ発生防止等の観点から、外干しができなくなりました。

食の管理の問題は、現在いっそう厳しくなっており、当然と言えば当然です。現在は、ビニールハウスや家屋の中での作業になっています。

柿すだれ

これによって、めっきり「柿すだれ」を見ることが減ってしまったのです。あっても、自分の家で食べるチョットのぶんぐらい。とても「すだれ」にはなりません。寂しい限りです・・・・

ところが最近、再び伝統の風物詩を残そうとする運動も起き始めています。良い品質の干し柿を作るためには・・・・でも、伝統の風物詩は残したい・・・・とのジレンマで、しばらくは揺れ動きそうです。

 

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