3ヶ月ものサバイバル生活!江戸時代のみかん商人・長右衛門の小笠原漂流記【三】:2ページ目
船を一艘、みんなで造ろう!
探索の結果、この島は無人島であることを確認、また別の場所に漂着していた難破船の残骸を発見、いつか帰るために新しい船を造る資材として回収・確保しました。
もちろん、先日沈んでしまった自分たちの船からも使えそうな廃材はできるだけサルベージして、来るべき日に備えます。
「旦那、これだけ資材が集まればみんなで乗れる船一艘、何とか造れるんじゃねぇか?」
「うむ……そうじゃな。よし!やってみよう!」
無人島の探索も一通り済ませ、自分たちの生活に必要なインフラもある程度ととのってきた頃、いよいよ長右衛門たちは船の建造に着手します。
もちろん、内地のように十分な資材はありませんが、それでも知恵を振り絞って試行錯誤と創意工夫を繰り返し、ついに6人が乗り組める四反帆(帆の幅約3m)の船一艘が完成したのは、島に上陸してからおよそ50日後の寛文十1670年4月8~10日ごろと推測されています。
「ばんざーい!」
さぁ、船はできました。次はみんなで海亀や魚を目一杯に獲ってその肉を干物にし、保存食を蓄えました。これでしばらくは航海に耐えられるでしょう。