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NHK大河ドラマ「いだてん 東京オリムピック噺」振り返り 嘉納治五郎の最期。なぜIOCは彼に一目置いたのか「いだてん」第37話振り返り

嘉納治五郎の最期。なぜIOCは彼に一目置いたのか「いだてん」第37話振り返り:2ページ目

なぜバンクーバーから帰った?

IOC総会が開かれたのはエジプト・カイロなのに、嘉納はなぜカナダ・バンクーバーから出発したのでしょう。

これは、総会が終わった後も各国をめぐっていたからです。まずはクーベルタン男爵の慰霊祭に出席。その後もヨーロッパの各国、さらにアメリカを訪問し、その地のIOC委員と面会して、今度の東京オリンピック開催に賛同・同意してくれたことを感謝してまわっていたのです。

嘉納不在のIOC総会もドラマ中で描かれましたが、外国語を流ちょうにあやつる外交官がいかに演説しても、嘉納治五郎のようにはいきませんでした。

IOCで嘉納が一目置かれていたのはなぜか。それはそのころのIOCではすでに最古参となっていたこともあるでしょうが、人を惹きつける何かがあったのかもしれません。同意してくれた委員に感謝の気持ちを表し、礼を尽くす。そういうところも、彼が尊敬された一因だったのかもしれません。

嘉納の死後、東京オリンピックでついに柔道が開催されることが決まります。このとき柔道の開催に尽力したのが、嘉納を尊敬していたフランスのIOC委員・ピエトリだったのです。

嘉納治五郎は亡くなった後もオリンピックを動かすほどの影響力を持っていたのでした。

 

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