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「前畑ガンバレ!」前畑秀子のレースの裏側「いだてん」第36話振り返り:2ページ目
「がんばれ」の電報を、史実ではお守りを飲み込んだ前畑秀子
決勝戦を迎えるまでに、前畑は何度も何度も「がんばれ」という言葉を浴びせかけられていました。第35話でも描かれていたように、前畑はもう前向きな気持ちで「がんばれ」を受け取ることができなくなっていたのです。
「頑張って金メダルが獲れるならもうロサンゼルスで獲ってた」とまーちゃんをプールに叩き落した前畑。
この件からまーちゃんは前畑への「がんばれ」に神経質になります。腫物を扱うように接するのですが、周囲はお構いなしに「がんばれ」「がんばれ」と言う。
ロサンゼルス大会の時とは、状況も違います。世界は戦争の機運が高まっていて、多くの国がオリンピックに国威発揚を期待していました。前畑自身もそれを感じ取り、優勝できなかったら死ぬしかない、と本気で考えたそうです。帰りの船から海に飛び込んで死のうか、でも自分なら泳げるから海に飛び込んでも死ねない……なんて具体的に死ぬ方法まで思いめぐらしていたそうです。
36話で、前畑は日本から届いた多くの「がんばれ」の電報をぐしゃぐしゃに丸めて飲み込み決勝に挑みました。実際は、電報ではなくお守りを飲み込んで挑んだそうです。これは、いままでマイナスにとらえていた「がんばれ」を飲み込み、受け入れて応援する人たちと一緒に泳ぐ、という覚悟を決める演出のため、史実から変更されたようです。
「お守りを飲み込む」というのは、ドラマではロサンゼルス大会で採用されていました。
とにかく、前畑は決勝レース前に洗面所でお守りを飲み込み、神頼みするほど追い込まれていたのです。
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