平安時代のストーカー伝説!憎しみから蛇に変身した少女の壮絶な愛憎劇とは?:3ページ目
語られ続ける伝説
この物語の出典は、平安時代中期に書かれた「大日本国法華験記」の中の「紀伊国牟婁郡悪女(きいのくにむろぐんあしきおんな)」というタイトルの説話です。この話にはまだ清姫・安珍という名前は出てこず、清姫のポジションは未亡人、登場するのも若い僧と老年の僧の2人になっています。
有二沙門、一人年若、其形端正。一人年老、共詣熊野、至牟婁郡、宿路辺宅、其宅主寡婦
引用元:法華験記
説話集とは古くから伝わっている話のことなので、蛇になった女性から男が逃げ出したというエピソードが、どこかで伝説としてあったのかもしれません。
また、平安時代の末期に書かれた「今昔物語集」にも同じような話があります。清姫・安珍という名前がついたのは、鎌倉時代や江戸時代になってからだそうです。
この物語は歌舞伎や能、浄瑠璃などの演目として語られてきました。それほどインパクトがあったのでしょうね。そして「安珍清姫伝説」として有名になり、道成寺では絵巻物を見せながらの説法が今も行われています。
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