平安時代のストーカー伝説!憎しみから蛇に変身した少女の壮絶な愛憎劇とは?:2ページ目
激しい炎で焼き尽くす
事情を聞いた道成寺の僧たちは鐘の中に安珍を匿い、寺の門を閉じます。安珍を追いかけてきた蛇の姿になった清姫はその鐘に巻きつき、怒りの炎で焼き尽くしました。
鐘もろとも焼かれた安珍は、骨も残りません。かなり激しい炎だったのでしょう。その後、入水自殺を図った清姫。
道成寺の本堂(wikipediaより)
2人が亡くなってから、道成寺の僧侶の夢に安珍と清姫が表れ、「法華経で供養して欲しい」と訴えてきます。僧侶が供養すると、2人はやっと成仏できたというお話です。
この物語は元々、法華経の凄さを伝えるエピソードでしたが、時代を経て悲恋物語へと変化していきました。ただ現代の感覚からしたら、清姫はかなりのストーカー気質だと読み取れますよね。
嘘をついた安珍もいけないとは思いますが、一方的な恋愛感情で相手を追い回している清姫の激しい感情には、怖れを抱いても仕方がないと感じます。しかもそのストーカーは蛇にまで変身しているのですから、安珍の恐怖は凄まじかったでしょう。