勇壮なパフォーマンスに感激!岩手県の伝統芸能「しし踊り」に『遠野物語』の世界を堪能:2ページ目
ししだけが主役じゃない!幕踊りの役割あれこれ
幕踊りの大きな特徴の一つとして(ししのみがメインで踊る太鼓踊りに比べて)役割の多さが挙げられます。ここでは、隊列の順番にその役割を紹介していきます。
【世話人】
隊列の先導や踊り場所の確保や調整などを行う窓口的な存在で、心づけや問い合わせなどはこの人にすると話がスムーズでしょう。
【旗持ち】
文字通り保存会の名称などを記したのぼり旗を奉げ持つ名誉な役目であり、自分たちの誇りを示すべく、堂々と立っています。
【種ふくべ】
ふくべ(瓢)とは瓢箪(ヒョウタン)のことで、大きな瓢箪を身に着けているのが目印です。愉快な踊りで隊列をリードする役割のため、すべての役を経験or熟知したベテランが務めるそうです。
【ふくべ】
小さな瓢箪を手に持って踊る役で、たいてい最年少の子供たちが可愛らしく頑張っています。中には長い踊りの途中で飽きたり疲れたりしちゃう子もいますが、そこはご愛敬。微笑ましく見守ってあげましょう。
【中たいこ】
ふくべの子たちが少し大きくなると、今度はフリキ(振木。房や鈴のついたバトン。綾棒)を舞わして躍ります。太鼓は持っていませんが、なぜ「中たいこ」と呼ばれるようになったのかは謎です。
【刀かけ】
先ほど『遠野物語』でも言及されていた抜刀して踊る役で、見たところは中学生~高校生以上がメインでした。白刃を煌めかせながら演ずる剣舞は幕踊りにおける見どころの一つですが、剣舞の由来などについてはやはり謎でした。
【笛・太鼓】
文字通り笛や太鼓を演奏して踊りを盛り上げるお囃子ですが、万が一ししが踊れなくなってしまった場合の代役も兼ねているため、ベテランが務め、面以外はしし役と同じ装束を着ています。