イタコの先祖とも言われる女神・菊理媛神は日本神話に登場する有名な夫婦の仲裁役?:3ページ目
悩める生者に死者の声を届ける役目
日本書紀では、「ククリヒメノカミが何かを言い、イザナギが褒めた」という意味のことが書かれているだけで、実際に何を言ったのかは書かれていません。
是時、菊理媛神亦有白事、伊弉諾尊聞而善之。
日本書紀巻第一より
しかし前後のエピソードから考えると、ククリヒメノカミが二柱の仲裁をしたおかげで、イザナギが無事にこの世に戻れたのではないでしょうか。
現在も死者の声を届けるイタコによって、生きている人が救われるという話があります。ククリヒメノカミは、悩める生者に死者の声を届ける優しい役目を負った女神なのかもしれませんね。
参考サイト:日本書紀、全文検索
参考文献:戸部 民夫「日本の神様」がよくわかる本