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「日本最古の呪いの言葉」は妻から夫へ向けてのものだった!人の寿命が定められたある神話の悲劇

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愛する夫の仕打ちに悲しんだイザナミは、「このようなひどいことをするなら、私は一日に千人の人間を殺しましょう」という言葉を掛けたのです。

この言葉こそ、日本最古の呪いの言葉ではないかと、作家の竹田恒泰氏が著書「怨霊になった天皇」で記しています。

イザナミの呪いと人の寿命

イザナミが「一日に千人殺す」と宣言したら、イザナギは「ならば私は一日に千五百の産屋を建てよう」と言いました。そうして人間は一日に千人が死に、千五百人が産まれるようになったのです。

この物語によれば、現世に生きる我々人間に寿命があるのは、伊邪那美神の怨念の結果である、ということになろう。
引用元:竹田恒泰「怨霊になった天皇」

イザナミの呪いによって、人間は寿命が定められるようになったように見えますね。

変わり果てた自分を見捨てた夫を恨み、呪いの言葉を吐いたイザナミ。その後、黄泉津大神(よもつおおかみ)、道敷大神(ちしきのおおかみ)と呼ばれ、イザナミは黄泉の国の神として存在するようになりました。

イザナミとイザナギは、神話に登場する神の中で初めて夫婦になった神です。そんな夫婦が呪いの言葉を吐き、別れてしまったのは悲劇としか言いようがありません。

参考文献:竹田恒泰「怨霊になった天皇」(2011年)

 

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