「日本最古の呪いの言葉」は妻から夫へ向けてのものだった!人の寿命が定められたある神話の悲劇:2ページ目
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愛する夫の仕打ちに悲しんだイザナミは、「このようなひどいことをするなら、私は一日に千人の人間を殺しましょう」という言葉を掛けたのです。
この言葉こそ、日本最古の呪いの言葉ではないかと、作家の竹田恒泰氏が著書「怨霊になった天皇」で記しています。
イザナミの呪いと人の寿命
イザナミが「一日に千人殺す」と宣言したら、イザナギは「ならば私は一日に千五百の産屋を建てよう」と言いました。そうして人間は一日に千人が死に、千五百人が産まれるようになったのです。
この物語によれば、現世に生きる我々人間に寿命があるのは、伊邪那美神の怨念の結果である、ということになろう。
引用元:竹田恒泰「怨霊になった天皇」
イザナミの呪いによって、人間は寿命が定められるようになったように見えますね。
変わり果てた自分を見捨てた夫を恨み、呪いの言葉を吐いたイザナミ。その後、黄泉津大神(よもつおおかみ)、道敷大神(ちしきのおおかみ)と呼ばれ、イザナミは黄泉の国の神として存在するようになりました。
イザナミとイザナギは、神話に登場する神の中で初めて夫婦になった神です。そんな夫婦が呪いの言葉を吐き、別れてしまったのは悲劇としか言いようがありません。
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