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NHK大河ドラマ「いだてん 東京オリムピック噺」振り返り 大手柄のはずが大誤報…「光文事件」の顛末!「いだてん」第25話振り返り

大手柄のはずが大誤報…「光文事件」の顛末!「いだてん」第25話振り返り:3ページ目

平成への改元では35分前に情報を入手していたのに……

「光文事件」は60年以上経っても痛い経験として残っていました。昭和天皇が崩御し時代が変わるとき、毎日新聞は小渕恵三官房長官が「平成」と発表する35分前にその情報を入手していました。

ただ、過去の失敗があったため、同じ過ちを繰り返すことだけは避けたかった。政治部長はすぐ号外を出すよう迫ったそうですが、結局は小渕官房長官の発表を待っての報道となります。

号外が見送られたことは、当時「光文事件」の過ちを繰り返されることを警戒した首相官邸が報道管制を敷いたことも関係しています。官邸は、「どこかが先にスクープすれば別の元号に変える」と発表していたのです。つまり、先にスクープすれば「光文事件」の時のようにトップが辞職する騒ぎに発展する、という脅しです。

そういうこともあって、昭和から平成への改元は無事に終わりました。毎日新聞は35分前の号外こそ断念したものの、夕刊3版に「次の元号は平成」と掲載できたのは毎日新聞だけだったといいます。つまり、他紙が夕刊4版で掲載するなか、それに先んじて発表することができた。「光文事件」の雪辱は一応果たされたのでした。

これまでの「いだてん」振り返り記事はこちら。

 

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