「国をよこせ!」天界の無茶な要求に英雄・大国主命が取った行動とは?
前回ではスサノオに認められ、スセリ姫ら多くの美女との間に子供を180人以上も儲けて地上を繁栄させる大国主命について書きました。
生まれた子供は180人以上!?仁徳の英雄・大国主命は色好みなイケメンでもあった
前回、大国主命が根の国を支配するスサノオの娘スセリ姫と恋仲になったものの、それが面白くないスサノオに意地悪をされますが、スセリ姫との連携でそれを退ける話を紹介しました。[insert_post…
優しい心と仁徳で国のため、人のために尽くす理想のリーダー・大国主命にも、いつしか陰りが見えてきました。
国づくりを支えた心強い守護者たち
ある時、大国主命はスクナヒコナ(少彦名神)と言う小さな神様に会います。彼は大国主命の恩人でもあるカムムスヒの子供で、知識も豊富な知恵袋として大国主命の国造りに活躍しました。スクナヒコナが常世の国(海のかなたにある理想郷)へ帰ってしまった後、大国主命を助けたのは、オオモノヌシ(大物主神)でした。
『古事記』のオオモノヌシは自分を三輪山(奈良県)に祀って欲しいと頼むだけですが、日本書紀では大国主命と同一人物ないしは彼に力を貸した神様とされています。この二柱(神様の数え方)の頼もしい味方を得た大国主命は、彼らから人や作物を毒虫から守る秘術を得たのでした。
今で言うと農業や医療のノウハウ、商工業を栄えさせる指導法をマスターしたと言ったところでしょうか。そうした精力的な活動で栄える地上界・葦原中国(あしはらのなかつくに)でしたが、天界の高天原から不吉な影が忍び寄っていました。
2ページ目 地上は我がためにあり!地上征服に燃える天照大神の執念