オランダのスーパーで売られるお寿司は、日本に近づこうと頑張っていた…。
ヨーロッパのやや北に位置する小国オランダ、ここにも数年前から寿司ブームが到来してしています。
街の至る所に「日本料理」や「寿司」をうたったお店があり、オランダ人にも寿司は十分受け入れられていると言えます。しかし、こちらでお目にかかる寿司は日本のものとは少し違います。
というのも、欧米でこうしたお店を経営しているのは95%以上の確率で中国系の方々なので、彼らなりの解釈で作っているし、また欧米人が好みそうな味にアレンジされているからです。
こうしたレストランで思う存分に食べるにはけっこうお値段が張り、一回の食事で40~50ユーロ(5000~7000円)は当たり前です。寿司は美味しいけど、高い!というのがオランダでのイメージです。
もっと気軽に寿司を楽しみたいという人のために、オランダの大手スーパーではすぐに食べられる寿司パックが売られています。普段買い物をしていても、このパックを買って行く人をしばしば見かけるので、どんなものかと私も試しに買ってみることにしました。
その寿司パックなるものが、こちらっ!
し、しす・・・?!
逆ですけどぉーーーー!
・・・と叫んだところで、ここは日本人のほとんどいないオランダの一地方都市。誰も気にはしません。漢字が書いてあればとりあえず「ジャパン」な雰囲気が出るのでオーケーなのでしょう。
そんなことを言えば、日本だって外国人が見たら頭をもたげたくなるようなエセ外国語で溢れ返っていることでしょうから、いわばお互い様です。
中には4種類の細巻きが各3個づつ入っており、醤油にワサビ(妙に黄色い)、そして伸び縮みする使い捨ての箸が一膳入っています。
具は右からサーモン、カニカマ、謎のオレンジ色のピリ辛ペースト、きゅうり。この具材もなかなか日本人からは出てこないチョイスですよね。
さて、肝心のお味について。これは人それぞれ好みがあるので表現が難しいですが、一般的に日本で食べるようなパックのお寿司と比較すれば、やや劣ると言わざるをえません。
しかしオランダでそのような比較をしてケチをつけてみても無意味だし、大多数の購入者にとってこれが美味しくてエキゾチックな軽食となるのであれば、十分なのではないでしょうか。
日本以外の国ではしばしば摩訶不思議な日本文化の解釈に出くわすことがあり、少々腹立たしくなったり残念な気持ちになることがあります。
しかし、そこで「これは本当の日本文化じゃない!」と主張するよりも、こうして文化と文化が自由な解釈で混ぜ合わさって新たな文化のスタイルが生まれるんだと肯定的に捉える方が自然だし、面白いのではないでしょうか。
皆さんも海外に行く際は、ハイブリットな日本文化を見つけて楽しんでみてはいかかでしょう。