6月の梅雨時なのになんで皐月(五月)晴れなの?その理由は新暦と旧暦のズレから:2ページ目
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移り変わる言葉の意味
結論から言うと、この「皐月晴れ」とは本来「梅雨の合間の晴れ。梅雨晴れ」を意味します。
梅雨は6月なのにどうして皐月=五月晴れなのかと言うと、ここで言う皐月とは太陰暦(江戸時代以前に使われていた旧暦)5月を意味しているのです。
太陰暦は明治時代から日本で広く用いられている太陽暦(新暦)に比べておよそ1ヶ月のズレがありますから、旧暦5月は新暦6月におおむね該当します。
それが新暦の普及によって次第に前倒し(誤用)され、現代では「皐月晴れの青空を鯉のぼりが泳いでいる……」と言った風景がイメージされるようになったのでした。
とは言うものの、言葉は時代によって柔軟に変化していくものですから、鯉のぼりを見上げて「皐月晴れ」と口にした人を捕まえて能書きを垂れるのも野暮というもの。
広辞苑にも「梅雨晴れ」だけでなく「(2)5月の空の晴れわたること」とも定義していることもあり、どっちでも通用するようになってきているようです。
最近では本来の意味で用いる場合を「さつきばれ」、新しい意味で用いる場合を「ごがつばれ」と使い分ける方もいるようで、日本語の奥深さと可能性がこういうところにも垣間見られます。
まとめ
他にも、梅雨を意味する「五月雨(さみだれ)」や、梅雨ごろにことさら暗く感じる夜を「五月闇(さつきやみ)」など、旧暦の名残を感じさせる言葉が今でも使われています。
こうした季節の言葉について、正しい意味を理解しつつも、大らかな気持ちで情緒豊かに使いこなしていきたいものです。
※参考文献:NHK放送文化研究所編『改訂版 NHK気象ハンドブック』
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